おしどり贈与とは?利用の要件やメリット・デメリットについて解説

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おしどり贈与とは?利用の要件やメリット・デメリットについて解説

この記事のハイライト
●おしどり贈与は婚姻期間が20年以上の夫婦間で贈与を行った際に利用できる制度
●贈与された財産が居住用不動産またはその取得資金であることが条件に含まれる
●おしどり贈与は相続税対策に活用できるが不動産取得税が発生するといったデメリットもある

財産の受け渡しにはさまざまな方法があり、それぞれに適用できる税金の控除制度があります。
その中でも「おしどり贈与」は、贈与税の控除として利用できる特別な制度の一つです。
この記事では、おしどり贈与の基本的な仕組みや利用条件、メリット・デメリットについて解説します。
明石市、神戸市、加古郡、加古川市、高砂市、姫路市、小野市、三木市、西宮市、尼崎市、兵庫県全般で不動産相続を控えている方は、ぜひ参考になさってください。

おしどり贈与とは?知っておきたい贈与税の配偶者控除の特例について

おしどり贈与とは?知っておきたい贈与税の配偶者控除の特例について

「おしどり贈与」とは、正式には「贈与税の配偶者控除の特例」と呼ばれる制度です。
はじめに、贈与税の配偶者控除の特例とはなにか、贈与税の仕組みとあわせて解説します。

贈与税の仕組み

贈与税とは、個人から財産をもらった際に、もらった側が支払う税金です。
現金や不動産、株式、自動車、貴金属、骨とう品など、さまざまな財産が対象となります。
贈与税には毎年110万円までの「基礎控除」があり、この範囲内であれば税金はかかりません。
たとえば、親から子へ300万円を贈与した場合、110万円(基礎控除)を引いた190万円が課税対象となります。
税率は金額に応じて10%〜55%と、もらった額が大きいほど高くなるため、計画的に贈与を行うことが大切です。

贈与税の配偶者控除の特例とは

贈与税の配偶者控除の特例とは、夫婦間で居住用不動産の贈与があった場合に、2,000万円まで非課税になる制度です。
婚姻期間が20年以上の夫婦間で使える制度であることから、「おしどり贈与」と呼ばれています。
この特例では、配偶者に対して居住用不動産またはその購入資金を贈与した場合、最大2,000万円まで贈与税が非課税になります。
さらに、通常の基礎控除(110万円)と併用できるため、あわせて最大2,110万円分の贈与が非課税で行える点が大きなメリットです。
ただし、この制度を利用するためには、いくつかの要件を満たし、所定の書類をそろえたうえで贈与税の申告を行う必要があります。

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おしどり贈与を適用するための要件とは

おしどり贈与を適用するための要件とは

おしどり贈与の特例を受けるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

要件1:夫婦の婚姻関係が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと

おしどり贈与の適用要件のひとつに、「夫婦の婚姻関係が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと」があります。
これは、法律上の婚姻関係が20年以上継続している夫婦が対象であり、内縁関係や事実婚の場合は該当しません。
婚姻期間は、戸籍上で婚姻届が受理された日から数えて20年が経過している必要があります。
たとえば、婚姻届を2005年5月1日に提出している場合、贈与は2025年5月2日以降でなければなりません。
20年目ちょうどではなく、1日でも過ぎていることが条件となる点に注意しましょう。

要件2:贈与された財産が居住用不動産またはその取得資金であること

この特例を利用するには、贈与された財産が実際に住むための不動産であることが必要です。
あるいは、自宅として使う不動産を購入するための資金でも特例の対象になります。
ただし、そのお金は必ず「自分たちが住む家を買うため」に使わなければならず、別の目的には使えません。
たとえば投資用の不動産を購入するために贈与された資金では、特例を利用できない点にご注意ください。

要件3:贈与を受けた年の翌年3月15日までにその居住用不動産に住んでおり、その後も住み続ける見込みがあること

この特例は、居住用の財産やその購入資金に限って利用できるため、贈与を受けた方が実際にその不動産に住む必要があります。
税金を節約するために、住む予定のない不動産を贈与して相続税を減らそうとする行為は、租税回避とみなされてしまいます。
贈与した翌年の3月15日までに、贈与を受けた方がその不動産に実際に住み始められるかどうかをよく考えて贈与を行いましょう。

おしどり贈与の適用にあたっての注意点

おしどり贈与の特例は、同じ配偶者に対して一生に一度しか使えません。
複数回の贈与で繰り返し控除を受けることはできないので、計画的に利用することが大切です。
ただし、再婚して別の配偶者から贈与を受ける場合であれば、この特例を利用することは可能です。
その場合は、新たな配偶者との婚姻期間が20年以上であることが条件となります。
なお、贈与税が発生しない場合でも、特例を適用するには必ず贈与税の申告が必要です。
申告をしなければ控除は受けられないため、期限内の申告を忘れないようにしましょう。
申告期限は「贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日」までで、贈与を受けた方が住む場所を管轄する税務署に申告します。
申告にあたりさまざまな書類を準備する必要があるため、なるべく早めに行動することをおすすめします。

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おしどり贈与のメリット・デメリットとは

おしどり贈与のメリット・デメリットとは

おしどり贈与は、財産を受け取った際に贈与税の負担が軽くなるだけでなく、その後に贈与者が亡くなったときの相続においても有利に働く可能性があります。
その一方で、デメリットもあるため、メリットだけでなく、デメリットも把握した上で利用するかどうか検討しましょう。

おしどり贈与のメリット

おしどり贈与のメリットは以下の4つです。

  • ●相続税対策に活用できる
  • ●生前贈与加算が不要
  • ●相続発生後も配偶者の住居を確保できる
  • ●自宅を売却したときの譲渡所得税を低くできる

おしどり贈与を利用すると、贈与によって相続財産を2,000万円分減らせるため、相続税の課税対象となる金額も少なくなります。
相続が始まる前の3年以内に行った贈与については、その金額を相続財産に加算する必要がありますが、おしどり贈与は加算の対象外です。
また、贈与によって居住用不動産の一部または全部が配偶者の名義になることで、自宅の所有権をめぐる相続争いを避けられ、相続後も配偶者の住まいを確保できるというメリットもあります。
その他、自宅の所有権を贈与で配偶者と共有にしておけば、将来的に売却する際に、それぞれ3,000万円の譲渡所得控除が使えるというメリットもあります。

おしどり贈与のデメリット

一方で、おしどり贈与には、以下のようなデメリットもあります。

  • ●不動産取得税が発生し、登録免許税の税率も高くなる
  • ●贈与された配偶者が先に亡くなるリスクがある
  • ●節税効果は相続税の配偶者控除の方が高い

不動産を贈与によって取得すると、不動産取得税や登録免許税などの費用が発生します。
不動産取得税は「固定資産税評価額×原則税率4%」で課税されますが、相続による取得であれば非課税です。
また、登録免許税も贈与の場合は税率2%が適用されるのに対し、相続での登記では0.4%と、大きな差があります。
そのため、税金面では贈与より相続のほうが負担が軽くなる傾向にあります。
さらに注意したいのが、贈与された配偶者が先に亡くなった場合です。
このとき、配偶者の名義となった不動産は相続財産として扱われ、相続税の課税対象になります。
せっかく非課税で贈与を受けた財産でも、結果的に相続税がかかる可能性が出てくるのです。
一方で、相続によって配偶者が財産を受け取る場合には、配偶者控除が使えます。
贈与と相続、どちらが得かは全体の相続計画を踏まえて慎重に判断する必要があるでしょう。

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まとめ

おしどり贈与は、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産やその取得資金を贈与する際に、最大2,110万円まで贈与税が非課税になる特例です。
相続税対策や配偶者の住居確保に有効ですが、不動産取得税や登録免許税が発生する点や、配偶者が先に亡くなるリスクなど注意点もあります。
相続とのバランスを考慮して慎重に検討することが大切です。
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