無道路地とは?該当するケースと相続税評価額の計算方法を解説

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無道路地とは?該当するケースと相続税評価額の計算方法を解説

この記事のハイライト
●無道路地とは建築基準法上の道路にまったく接していない土地や接道義務を満たさない土地のこと
●無道路地に該当するケースは接道間口が2m未満の場合や道路が建築基準法上の道路でない場合などさまざまなケースがある
●無道路地の相続税評価額の計算は奥行価格補正率を掛けた補正後の価格に不整形地補正率を乗じて減額する

相続した土地が、ほかの方が所有している土地に囲まれており、道路にまったく接していない「無道路地」だったという方もおられるのではないでしょうか。
このような土地は、道路に接している一般的な土地よりも使い勝手が悪く制限がかかることから、評価額が低くなることがあります。
そこで、無道路地とはなにか、該当するケースや相続税評価額の計算方法について解説します。
明石市、神戸市、加古郡、加古川市、高砂市、姫路市、小野市、三木市、西宮市、尼崎市、兵庫県全般で無道路地の土地を相続した方は、ぜひ参考になさってください。

評価額が低くなる?無道路地とは

評価額が低くなる?無道路地とは

土地のなかには、道路に接していなかったり、接していても条例で規定されている基準を満たさない土地の種類が存在します。
このような土地は、無道路地と呼ばれ、一般的な土地よりも低く評価されます。
ここでは、無道路地とはなにか、概要や種類について見ていきましょう。

無道路地とは

無道路地とは、都市計画区域にある土地のうち、以下の2つのような土地を指します。

  • ●建築基準法上の道路にまったく接していない土地
  • ●接道義務を満たしていない土地

道路にまったく接していない土地とは、ほかの方が所有する土地に囲まれているような場合を指します。
そして、接道義務を満たさない土地とは、道路に接しているものの、条例で規定されている間口距離(2m以上)を満たしていない土地のことです。
このような土地は、建築基準法を満たさないため、建物を新しく建てることができないなど制限がかけられています。
そのため、利用価値が劣ることから、評価額が低くなる傾向にあります。
なお、都市計画区域外であれば、道路に満たしていなくても無道路地には該当しません。

無道路地が存在する理由

では、なぜ無道路地のような土地が存在してしまうのでしょうか。
それは、建築基準法が施行される前の未整理の状態で土地が残されていることが考えられます。
また、大都市に都市機能や人口が過剰に集まる現象、いわゆる過密化も原因の1つです。
複数の住宅を建てるために土地を分割する際に、無道路地ができてしまうケースがあります。

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評価額が低い?無道路地に該当するケース

評価額が低い?無道路地に該当するケース

無道路地に該当する土地は1つだけでなく、さまざまなケースが考えられます。
ご自身の土地が無道路地に該当するか確認してみましょう。
ここでは、無道路地に該当するケース、そして該当しないケースも解説します。

無道路地の例

無道路地には、以下のようなさまざまな種類があります。
①建築基準法上の道路に接していない
所有している土地が建築基準法上の道路の近くにあっても、その道路が敷地に接していない場合は、接道義務を満たしません。
そのため、このような土地は無道路地となります。
➁接道間口が2m未満
前述したように、土地は道路に原則として2m以上の間口で接していなければなりません。
そのため、2m未満の場合は、接道義務を満たしていないため無道路地となります。
③路地に2m以下の部分がある土地
接道部分は2m以上であるものの、路地状部分の幅員が2m以下の場合も該当します。
路地状敷地の場合は、路地上のすべての箇所で2m以上の幅員を満たしている必要があります。
一部でも2m以下の部分があると、建築許可が下りず建物を建てることはできません。
④建築基準法上の道路でない
道路には接しているものの、前面道路が建築基準法上の道路でない場合も無道路地です。
接道義務では、建築基準法上の道路に接していることが条件となっています。
⑤第三者の土地が道路とのあいだに存在する
道路とのあいだに第三者の土地がある場合、対象地は道路に接していないため接道義務を満たしません。
そのため、このような土地は無道路地となります。
上記は、ほんの一例で、無道路地の種類はほかにもさまざまなケースが考えられます。

無道路地に該当しない例

一見すると無道路地に見えても、以下のような場合は該当しません。

  • ●通行権が設定されている
  • ●対象地と道路とのあいだの土地の所有者が同一人物

ほかの方の土地に囲まれていても、その土地を通行する権利、いわゆる「通行権」を設定している場合は、無道路地に該当しません。
また、対象地と道路とのあいだにある土地を同一人物が所有している場合も、無道路地には当たりません。
これは、通路箇所を第三者から取得することなく前面道路の一部を通行の用に使用できるため、無道路地における利用価値が低下していると認められないためです。
このように、無道路地に見える土地でも、実際には該当しないケースもあることを覚えておきましょう。

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無道路地の相続税評価額の計算方法

無道路地の相続税評価額の計算方法

最後に、無道路地の相続税評価額の計算方法を見ていきましょう。
無道路地の相続税評価額は、相続税路線価や減額基準などを利用して、国税庁の指針に則り算出します。
相続税を納めすぎないためにも、計算方法は理解しておきましょう。
ここでは、無道路地と道路とのあいだに土地が介在しているケースで、シミュレーションをしながらご説明します。

計算方法

まずは、無道路地と前面の土地を合わせた1つの土地として、奥行価格補正率を掛けて仮の価格を算出していきます。
たとえば、路線価が1㎡あたり15万円、無道路地から道路までの奥行距離が50m、土地の合計が700㎡の場合は以下のように計算します。
(A)15万円(路線価)×0.89(奥行50mの場合の補正率)×700㎡=9,345万円
続いて、前面の土地の奥行価格補正後の価額を算出します。
(B)15万円(路線価)×0.95(前面の土地の奥行30mの場合)×300㎡(前面の土地の地積)=4,275万円
前述で計算した合計した土地の価額から前面の土地の価額を差し引き、無道路地の価額を算出していきます。
9,345万円(A)-4,275万円(B)=5,070万円
次に、この無道路地の価額に不整形地補正をおこないます。
不整形地は、整形地と比べて利用しにくいため、その程度に応じて補正率を乗じて減額する流れです。
不整形地補正率を算出するためには、地区区分、地積区分、かげ地割合などを事前に調べておく必要があります。
地区区分については、国税庁が公表している路線価図から確認でき、地積区分は地積区分表から判断し、不整形地補正率表を用いて対象地を調べます。
このように、無道路地の相続税評価額は、通常の土地と比べて計算方法が複雑なため注意が必要です。
詳しくは国税庁のホームページ上でご確認ください。
なお、無道路地のような複雑な土地は、素人では計算が難しく、計算次第で相続税を多く納めすぎてしまうことも考えられます。
そのため、複雑な土地を相続した場合は、専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。

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まとめ

無道路地は、建築基準法上の道路に接していない土地もしくは、接道義務を満たしていない土地のことをいいます。
無道路地は、新たに建物が建てられないなど制限が多いため、使い勝手が悪く評価額も低くなる傾向にあります。
また、相続税評価額の計算方法も複雑なため、無道路地のような土地を相続した場合は、専門家への相談を検討しましょう。
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